
卒業や進学、就職などで、お子さんが新しい生活へと踏み出す春。
親としては成長を嬉しく、誇らしく感じる一方で、これまで当たり前だった日常が変わることに、寂しさや不安を感じる方も少なくありません。
「嬉しいはずなのに、なぜか気持ちが沈む」
「心にぽっかり穴が空いたような感覚がある」
そんな感覚がある方は、“空の巣症候群”の状態にあるのかもしれません。
1.空の巣症候群とは

空の巣症候群とは、子どもの独立や自立に伴い、親が喪失感や孤独感、無気力感などを感じる状態を指します。
これは特別なものではなく、環境の変化に対する自然な反応であり、これまでの役割が変化していく中で起こる心の揺れとも言えます。
これまで子どもを中心に生活してきた方ほど、
・役割が急に変わったように感じる
・時間や気持ちにぽっかりと空白ができる
・自分のことが分からなくなる
といった感覚を持つことがあります。
2. 空の巣症候群になりやすい傾向
空の巣症候群は誰にでも起こり得ますが、特に以下のような方は感じやすい傾向があります。
・子どもを最優先にしてきた
・「良い親でいなければ」と頑張ってきた
・自分のことを後回しにしてきた
・子育てにやりがいや意味を感じていた
・パートナー関係や社会的つながりが希薄
・更年期など身体的変化と重なる時期である
これまで一生懸命関わってきたからこそ、その変化に心が揺れるのはとても自然なことです。
3.これからの過ごし方
〜子ども中心の生活から、自分の時間へ〜

この時期に大切なのは、「どうやって寂しさを消すか」ではなく、これから自分はどう生きていきたいのかに少しずつ目を向けていくことです。
これまで「子どものためにどうするか」を中心に考えてきた方ほど、急に「自分はどうしたいか」と聞かれても、すぐには答えが出ないかもしれません。それで大丈夫です。
① 小さな「自分の気持ち」に気づく
何をしていると少し楽か、何が心地よいか。大きな目標ではなく、日常の中の小さな感覚を手がかりにしていきます。
② “やらなければ”ではなく“やってみたい”を大切にする
これまでは役割や責任で動くことが多かったかもしれません。これからは「少しやってみたい」という感覚を尊重していくことが、自分の時間を育てていく一歩になります。
③ 親としての関係を“新しい形”にする
子どもとの関係は終わるのではなく、変化していきます。距離ができることで、より対等で穏やかな関係に変わっていくことも少なくありません。
4.カウンセリングという選択

もし気持ちの落ち込みが続いたり、日常生活に影響が出ている場合には、カウンセリングを利用するのも一つの方法です。
カウンセリングでは、
・自分の気持ちを安心して話せる
・頭の中でまとまらない感情を整理できる
・これからの自分のあり方を一緒に考えられる
といったサポートを受けることができます。
「こんなことで相談していいのかな」と思う方も多いですが、むしろこうした節目の時期だからこそ、心を整える時間を持つことはとても大切です。
子どもの成長は、親にとっての大きな節目です。その中で感じる寂しさや揺らぎは、これまで大切にしてきた時間の証でもあります。
無理に元気になろうとしなくて大丈夫です。少しずつ、ご自身の時間や気持ちにも目を向けていけると良いですね。
もし今、少しでも気持ちを整理したいと感じている方は、お気軽にご相談いただけたらと思います。
文責:中野
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