まず、不登校は「甘え」ではないことを理解する
不登校 の子どもに対して、「甘え(怠け)ているだけなんじゃないか」という理解の仕方は、ひと昔前の学校の先生によくある見方でした。
また、今でも父親の一部は、なぜかこんな見方をする人が多いのですが、これは言葉は悪いですが、とても短絡的な見方だと言えます。
実際には、「子どもの不登校の原因」の記事で説明したように、複合的なストレス要因によりうつ病のような状態になり、登校できなくなってしまうのです。
まずは、この理解がないと、適切な対応にもつながりません。
不登校の対応の基本は、「休養」
不登校になった子どもは、ストレスが重なりエネルギーを使い果たして疲弊している状態なので、回復させるにはとにかく休養が大事です。
これは、うつ病の治療の基本が休養であるのと同じです。
人間の体は、休養すればきちんと回復します。
日中の活動の疲れは、(適切な量の疲れであれば)睡眠できちんと回復し、
風邪をひいた時や、怪我をした時にも、安静にしていれば自然に治ります。
心の不調についても、同じことが言えます。
ですから、基本的には無理して学校に行かせないようにし、家でゆっくり過ごすのが一番良い治療になります。
回復には、数カ月~年単位かかる場合も
親にしてみれば、学校を長期間休ませるのはとても不安な気持ちになりますが、大人のうつ病の場合もやはり数カ月から年単位の休養が必要になるので、これは仕方ない事です。
ただ、日を追うにつれ、少しずつ良くなってきている兆候が見られるはずです。笑顔が多くなってきたとか、最初は部屋に引きこもっていたのがリビングに出てくるようになったとか、特定の場所になら外出できるようになったとか・・・。
このように、少しずつ良くなっている場面をしっかり認識し、気長に見守っていくことが大事です。
不登校の後半は、「登校刺激」が必要になることも
しっかり休養すると、うつ状態も良くなってエネルギーが出てきます。
すると、学校のことに興味を示したり、学校の先生と話ができるようになります。
このタイミングで、登校のきっかけになるような機会を少しずつ作っていくと、上手くいくこともあります。
例えば、放課後など他の子がいない時間に担任の先生に会いに行ったり、保健室登校を始めたり、行事の日など本人が行きやすい日に短時間、登校してみるなどです。
ただ、まだエネルギー全開とは言えないため、頑張りすぎは禁物です。
たとえば、丸一日登校すると疲れて次の日は行けなくなってしまったり、一週間のうち毎日登校は難しかったりするので、行けたり行けなかったりします。
親も、あまり一喜一憂し過ぎないことが大事です。
カウンセリングも効果的なアプローチの一つ
上記のように、不登校の子どもへは、前半はとにかく休養させることが大事ですし、後半になるとむしろ登校刺激も必要になってきたりするので、
子どもがどのタイミングにあるのかを判断することが大事です。
その上で、カウンセラーなどの専門家に相談しながら、その時にどんなアプローチが効果があるのかを相談しながら進めていくと安心です。
何より、不登校の子を持つ親は、
「このアプローチで本当に正しいのだろうか」
「休ませているだけでは改善せず、ずっと引きこもったままにならないか」
「子どもが家にいると、自分まで気持ちが不安定になってしまう」
というような悩みを多く抱えているものです。
このように、親が不安でいっぱいだと、子どもへも影響してしまう可能性もあるため、親自身が定期的にカウンセラーなどの心の専門家(スクールカウンセラー含む)と話をし、子どもの相談をしながら、気持ちを落ち着ける必要があります。
また、子どもが直接カウンセラーと話す事で、自分の気持ちを理解してくれ、味方になってくれる大人がいると感じられると、子どもにとってもプラスに作用します。
そういった場として、カウンセリングで定期的に話をしていくのも、とても効果的です。