「人間、ある程度の年を取ったら、もう性格は変わらないよ」
・・・よく、そんなあきらめ半分の言葉を耳にします。
しかし、それは大きな間違いと言えます。
人は、いくつになっても、劇的に変わることができます。
例えば、50代の男性や女性がちょっとしたキッカケで、
ものの数カ月でガラッと性格が変わってしまったケースを、
よく目の当たりにします。
それでは、どんなキッカケがあれば、人は大きく変わるのでしょうか?
シンプルに言うと、人間関係が変われば、人は大きく変わります。
「人は社会的な生き物だ」という言葉がありますが、
人は人間関係から影響を受けて、考え方や性格などが形作られるものなのです。
これは一例です。
私の父親は、60歳近いある時に、娘(私の妹)に彼氏を紹介された事がキッカケで、
それこそ180度、性格が変わってしまいました。
どうやら、女ばかりの家族の中で仲間外れ状態だった父は、
「家族に認められていない」と感じていたようです。
特に、娘たちが思春期になり、父親を毛嫌いするようになると、
この傾向が強くなっていきました。
そのせいか、無口で家族とまともな話もせず、いつも不機嫌そうで、
確かに家族の中では厄介者だったのです。
それが、娘が彼氏を紹介したことで、「自分が家族の一員として認められた」
と感じたようです。家族がビックリするくらい、その彼を歓迎して、
その頃からどんどん明るくなっていき、家族と良い関係を持てるようになっていきました。
(ちなみに、その彼はイケメンでも話が面白かった訳でもないですし、
どちらにしろ妹とは別れましたが、そんな事は父には関係なかったようです。)
・・・父の例はカウンセリングとは関係ありませんが、
人間関係は、非常に強力な影響力を持っていることは、間違いありません。
カウンセリングの一種である「夫婦カウンセリング」や「家族療法」でも、
こうした人間関係を利用して、人を変えるしくみを作っていきます。
また、そもそもカウンセリングを始めること自体が、
その人にとって人間関係の大きな変化になるかも知れません。
例えば、その人が今まで誰とも持てなかったような
信頼関係や、本音での関わりをカウンセラーと持つことができれば、
それは今までの人生を根底からくつがえすようなキッカケとなる可能性があります。