カウンセリングの効果が出るかどうかは、良いカウンセラーに当たるかどうかで大きく左右されるため、相談される方にとっては非常に大事なポイントかと思います。
とはいえ、カウンセラーに対してイマイチ良い印象が持てなくても、「カウンセリングってこんなものなのかも」と思ってしまい、判断しづらいかも知れません。
以下は、経験豊富なカウンセラーからの目線で「こんなカウンセラーは良くない、カウンセリングの効果が上がらないだろう」と思う点です。
①質問に明確に答えてくれない
良いカウンセラーは、相談者の問題に対して分かりやすく答えてくれるはずです。例えば、
「どれぐらいの頻度で来たらいいですか?それはなぜですか?」
「こういう問題って、カウンセリングで良くなりすか?」
「何回ぐらい来れば、なんとなくの見通しが分かりそうですか?」
「こんな悩みで相談に来て良かったんでしょうか?」
・・・などの質問に対して、普段からしっかりとカウンセリングを実践しているカウンセラーであれば、ざっくりとでも答えられるはずです。
その一方で、明確には答えづらい質問もあります。特に、カウンセリングの最初の頃は、カウンセラーも相談者について十分理解し切れていないため、
「何回ぐらいのカウンセリングで良くなりますか?」
「私は双極性障害なのでしょうか?」
などと聞かれても、「その可能性もありますが、もう少し経過を見ていかないとハッキリとは言えないですね」としか言いようがない場合もあります。
また、カウンセラーのプライベートな事を聞かれた時に、カウンセラーによってはそういった情報はカウンセリングの効果を上げるために、あえて出さない方がいいという考え方の場合もあります。その場合は、ハッキリ答えてくれなくても問題ないと思われます。
少なくとも、分からない場合は「分からない」、答えられない質問の場合は「答えられない」と、なぜ答えられないのかを説明しながら、きちんと言ってくれるカウンセラーであれば大丈夫でしょう。
②開始時間、終了時間を守らない
カウンセリングの効果を上げるためには、決められた開始時間と終了時間をカウンセラーが守るということは、とても大切なことです。
なぜなら、開始や終了の時間がまちまちになってしまうと、カウンセラー側も相談者側も色々な雑念や心配が出て来てしまい、カウンセリングの邪魔になってしまうからです。
(カウンセラー側の雑念)
「今日こそ時間通りに終われるかな?(ソワソワ集中できない)」
「次のクライアントの予約まであまり時間がないから、今日も終了時間が延びてしまって、クライアント同士がはち合わせしてしまったらどうしよう」
「この前はだいぶ時間を延長したから、今日も時間を延長してあげないとクライアントは不機嫌になるかな?」
(相談者側の雑念)
「この後に予定があるのに、今日もカウンセリングが延びてしまったらどうしよう」
「この前は時間を延長して長い時間、話を聞いてくれたのに、今日は時間ぴったりに終わらせられた。カウンセラーに嫌われたかな?」
「私は今日は遅刻して来たんのに、終了時間をずらしてくれないなんて、こちらの事を親身に思ってくれてないんじゃないか?」
・・・このように、開始や終了の時間があいまいになってしまうと、カウンセリング中にお互いに色んな雑念や個人的な感情が浮かんで来てしまい、カウンセリングの内容に集中できなくなってしまいます。
そのため、開始と終了時間はしっかり守るというのは、カウンセラーの教育の中で必ず教わる事ですし、カウンセリングの効果をあげようとしっかり意識しているカウンセラーは、時間をきちんと守るはずです。
もちろん、カウンセリングの流れによっては終了時間が数分ずれるという事は、優秀なカウンセラーでも起こる事ですが、毎回終了の時間が延びるというのは問題ありです。
また、カウンセラー側の都合で開始時間が遅れるというのは、非常事態を除いてはあってはならない事です。もし予想外に開始が遅れてしまった場合、まともなカウンセラーであれば、謝罪の言葉と遅れた分の時間をどう埋め合わせするのかの相談があるはずです。
一方で、相談者側の都合で開始の時間に遅れてしまう事はあり得るので、それについては過剰に気にしなくても問題ありません。
③傾聴以外のアプローチがない
カウンセリングの勉強をあまりしてこなかったカウンセラーは、傾聴しかスキルを持っていない場合があります。
もちろん、傾聴は基本のカウンセリングスキルですから、傾聴する中で改善すべき問題をピックアップしていったり、相談者の考え方の傾向を見つけていったり、気持ちに共感することで相談者をサポートしたりと、傾聴はカウンセリングにおいて欠かせない役割を果たしています。
そのため、傾聴だけでも改善する問題もあるので、ご自身の場合は傾聴でも十分だと思われる場合は、傾聴のみのカウンセラーでも大丈夫かと思われます。
その一方で、傾聴だけでは十分な効果が出せない場合も多くあるので、有能なカウンセラーであれば傾聴以外のカウンセリング方法も勉強しているはずです。(参考記事:「話を聞くだけ」のカウンセリングは無駄?)
傾聴以外の代表的なアプローチは、認知行動療法や精神力動療法ですが、それ以外でも相談内容に合っているアプローチなら問題ありません。
念のため、
「傾聴以外のアプローチはありますか?」
「自分の問題には、傾聴とそれ以外のアプローチでは、どう結果の違いが出るか?」
と聞いてみても良いと思いかも知れません。
以下は外部のサイトですが、他に関連した記事です。ご参考にどうぞ。