特にアダルトチルドレンの方は、大人になってからの親との距離感に悩む事がよくあります。これは、アダルトチルドレンの方は、いわゆる「毒親」-つまり子育てに問題のある親に育てられてきたので、不健康な親子関係が当たり前になっていて、大人になっても親との理想的な距離感がよく分からなくなっているのです。
親と絶縁しているケース
アダルトチルドレンの方の中には、現在の居場所を親に教えていないとか、親から電話や手紙が来ても無視している、または「親子の縁を絶った」という方も時々います。
ただこれは、その方にとって親との関係があまりにストレスになっているからであり、仕方ないと言えるでしょう。こういった場合は、まずアダルトチルドレンの方自身が幸せになる事が優先ですので、親との関係がストレスなのであれば、無理に連絡を取る必要はありません。
親との距離が極端に近い
逆に、このようなケースは親子関係が近すぎると思われます。
・大人になっても何でも親に報告したり相談をする
・別に住んでいても毎日のように連絡したり会ったりしている
・「親孝行」と思って親を毎年旅行に連れていく
・親の言う事は全て正しいと思っている
これは、一見仲の良い親子のように見えますが、実は親も子も依存関係にあると言えます。子どものほうも、まだアダルトチルドレンを克服できていない証拠でしょう。
アダルトチルドレンは親との距離感が自分では分からない
とはいえ、アダルトチルドレンの方は親から否定的なメッセージを受け続けてきたので、一体どのぐらいの距離感が理想的なのか、自分の感覚で決められません。
例えば、「本当は親と関わるのはストレスだけど、親を放っておくのは親不孝、非常識にならないか」という悩みをクライアントさんからよく聞きます。
日本では特に、儒教の「親孝行」という考えの影響が根強くあり、親と距離を置くことに罪悪感が大きいのです。自己肯定感の低いアダルトチルドレンの方は、自分にとって「何が自分にとって幸せか」よりも、「他者からどう評価されるか」を優先してしまう事もよく起こります。
それでは、親との理想的な距離感はどのぐらいなのでしょうか?
親との距離は「友達程度」でいい
一番健康的な、おすすめの距離感は、ズバリ「友達程度」です。
この「友達」というのは、「親友ではない、でも知り合いよりはもう少し近い、普通の友達」程度という事です。
あなたは、「普通の友達」とはどの程度の付き合いをしますか?
普段しょっちゅうは連絡を取らないけど、数カ月空くと「そろそろ連絡取ろうかな」と思い、LINEするかも知れません。
また、年に1、2回ぐらい会って近況を報告したり、おしゃべりする事もあります。
一方、何か頼み事をされた時には、負担にならなければやってあげてもいいけど、こちらにとって無理をするような事であれば断るでしょう。
もし相手が困った時には、その人が本当に困っていて、他に方法がない時には、こちらに多少の負担がかかっても助けてあげるけど、
こちらに甘えているだけなんじゃないかと思う時は、「こんな方法を試してみたら?」と自分で何とかする方法を提案してみるのも良いと思います。
このように、もし「普通の友達」だったらどう接するか?
を目安にして、親との距離を決めていくのがおすすめです。
この話をすると、アダルトチルドレンの方は皆、
「親とは友達程度でいいんだ。すごく安心しました。」と負担が軽くなり楽になるようです。
ただ、先ほどのように「親がストレスだから連絡を絶っている」ケースについては、無理に友達のような関係に近づける必要はなく、これまで通り距離を取ったままで問題ありません。
アダルトチルドレンにとって、何よりも自分の幸せを優先できる事が、何より大事なのです。